どのように処理が始まったの?

国主導で処理が始まるまで

1968(昭和43)年に発生したカネミ油症事件を契機に、PCBの有毒性が社会問題化し、1972(昭和47)年に製造が中止され、1974(昭和49)年には製造や輸入等が禁止されました。

製造禁止に伴い、PCBを含む変圧器やコンデンサーなどが大量に廃棄物となりましたが、民間の処理施設の設置が進まず、その後30年以上に渡り、事業者による保管を余儀なくされました。この間、機器の紛失や不法投棄、漏洩などによる環境汚染の進行等が懸念される状況に陥りました。

国際的にも、PCBによる将来にわたる地球規模の環境汚染が問題視されたことから、2001(平成13)年に締結された残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約において、2028(平成40年)までにPCBを全廃することが決定し、国内においても、2001(平成13)年にポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(PCB特措法)が制定され、国が中心となってPCBの処理体制の整備を行うことになりました。

PCB処理施設の立地受入れ

2000(平成12)年12月、国は北九州市に対して、岡山以西17県(中国、四国、九州・沖縄地域)のPCB廃棄物を処理するための施設の立地要請を行いました。

要請を受けた市は、市民や議会から幅広く意見を聴いて議論を行うとともに、安全性の検討を幾重にも行った上で、2001(平成13)年10月、国が安全確保などを遵守することを条件に、PCB処理施設の立地を受け入れました。
 その後、豊田、東京、大阪、北海道にも処理施設が整備され、PCB廃棄物の全国的な処理体制が整備されました。

北九州市では、安全性の確保を最優先とし、セーフティネットリスクコミュニケーションを通じた市民の理解と協力のもと、2004(平成16)年の操業開始から10年間、PCBの外部への漏洩や健康被害が発生することもなく、全国で最も順調に処理が進められてきました。

処理の拡大及び処理期限の延長

一方、全国的には、追加的な安全対策や技術上の課題の発生などの要因から、当初予定していた期限内の処理完了が見込めないことが明らかになりました。そこで国は、2013(平成25)年10月、北九州市に対して、処理対象地域の拡大と処理期限の延長を行うことについての検討要請を行いました。

国の要請内容
  現行 見直し案(要請内容)
処理対策物 中国・四国・九州・沖縄地域(岡山以西17県)に保管されている全てのPCB廃棄物 左記に加え、近畿・東海・南関東地域(14都府県)に保管されている一部のPCB廃棄物を追加的に受入れ・処理※1
処理完了期限 平成26年度末まで 平成35年度末まで (一部は平成33年度末)※2
※1
追加的な処理量は6,000トン程度で、これまで処理した量と同規模(大阪・豊田エリアから安定器等(4,000トン)、豊田エリアから車載型変圧器(150台)、東京エリアからコンデンサー(7,000台)、大阪・豊田エリアから二次廃棄物(120トン))
一方で、北九州事業所で発生する運転廃棄物(廃粉末活性炭)30トン程度を東京事業所で処理
※2
変圧器・コンデンサー等が平成33年度末まで、安定器及び汚染物等が平成35年度末まで。この期限内に処理が確実に終えるよう国として対策を強化する予定。

市は、国の要請に対して慎重に対応するため、市民への説明や議会での議論などを通じて幅広く意見を聴取しました。市民や議会からは、「負の遺産を次世代に残さないよう、PCBを一日も早く根絶すべき」という意見や、処理の安全性や再延長に対する不安や疑問の声、地元の負担感に関する意見などが寄せられました。

市は、こうした市民・議会の意見や想いを真摯に受け止め、「処理の安全性確保」、「期間内での確実な処理」、「地域の理解」、「取組みの確実性の担保」の4つの柱からなる条件を取りまとめて国に提示しました。

国からは、この条件を重く受け止め、全ての条件を承諾し、国の責任と覚悟のもと、万全を尽くして対応するとの回答があったため、市は、2014(平成26)年4月、要請の受入れを決定しました。

低濃度PCB廃棄物の処理

一方、PCB特措法施行後に、低濃度のPCBを含む変圧器やコンデンサーなどの存在が明らかになりました。

平成21年、廃棄物処理法の無害化処理認定制度の対象となったことを受けて、北九州市では、市内の民間処理施設で処理する体制を整備しています。

市は今後、市民の安全安心と理解が確保されるよう、PCB廃棄物の安全かつ早期の処理の推進に最善を尽くしていきます。

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